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名もなき実昌企画「おばけのぬののうら」

この度Artas Galleryは、名もなき実昌 企画 ” おばけのぬののうら ”を開催いたします。

Artas Galleryでは、作品制作以外のアート活動にも精力的に挑戦している作家をリスペクトしています。昨年12月には、九州産業大学の現役生でもあった 笹野ゆたか 氏に、キュレーターへの挑戦を後押しする機会として開催いたしました。2021年から始まった本企画の第四弾として、現在アーティストカフェフクオカでも、布施琳太郎 氏との共同キュレーションにて展覧会を開催中の 名もなき実昌 氏に注目し、企画展「おばけのぬののうら」を開催することとなりました。

名もなき実昌 氏は、2013年よりTwitter(現X)にて活動を開始し、インターネットに流れ漂う情報や画像の断片、そこに立ち現れる人格や集合意識などをモチーフに、実存するようでしないような、それでいて存在を感じるような、一種の「幽霊的」なモノを表現しています。

SNSで現実の自分とは違うもう一人の自分が存在するかのように振舞う人は多くいると思います。AR(拡張現実)やVR(仮想現実)の技術が当たり前となった現代において、自分の身体(身体性)というものはどこに存在するのでしょうか。

今回の企画展では、今では当たり前のように身近に感じる、キャラクターという「非実在な存在」に対して興味を持ち「実存」について表現を行っている3人の作家「名もなき実昌」「うしお鶏」「米澤柊」を招致いたしました。

メタバースやマルチバースといった概念が一般化する現代において、本展を通して、改めて存在のあり処について思考を巡らせてください。

Artas Gallery 村上

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少し前の話ですが、ポケモンGOというゲームが話題になり、AR(拡張現実)と呼ばれる技術が広く知られるようになりました。今もこのゲームを遊んでいる方はいるかもしれませんが、このゲームは現実の空間にポケモン(キャラクター)を表示することができ、実際に捕獲するためには自らの身体を移動させる必要がありました。画面を通して表示されるキャラクターはもちろん現実世界で捉えることはできません。まさに画像の中に現れる幽霊のようです。プレイヤーはひたすら現実と非現実の空間で幽霊を探し続ける必要があるのです。

現実には存在しないのですが、なぜか頭から離れず執拗に回帰し、結果として現実に影響を与えてしまう「非実在」の存在をある人物が「幽霊」と称していました。ポケモンに限らず、現代を生きる身体はすでに非実在の存在と関係を結んでしまっています。それはSNSやVR、ARなどの技術であったり、キャラクター的な人格を通したコミュニケーションだったりするでしょう。

さて、本展はそういった逃れえない幽霊と身体の接続について、キャラクター(幽霊・おばけ)と身体(皮膚)をキーワードとして捉え直してみたいと思います。

名もなき実昌

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名もなき実昌企画「おばけのぬののうら」
2024.05.24 Fri. - 06.10 Mon.
open : 13:00 - 19:00
close : Tuesday , Wednesday

/ 参加作家
名もなき実昌
うしお鶏
米澤柊